ロシア軍、11月に装備と人員の両面で損害が急増
12月1日にウクライナ国防省が行った発表によれば、ロシア軍は11月を通して記録的な損害を被ったようだ。
11月に死傷したり捕虜となったりしたロシア兵の数は4万5,720人となっており、数ヵ月前から高い水準を保ち続けている。
ウクライナ国防省によれば、ロシア軍がここ数ヵ月で失った兵力は同国で一般的な独立自動車化狙撃旅団の1個旅団に匹敵する規模だという。
さらに、11月29日には24時間のうちに2,030人の兵士を失ったとされており、1日あたりの死傷者数としては過去最高を記録した。
『キーウ・インディペンデント』紙によれば、それまで1日あたりの死傷者数として過去最高だったのは11月12日に記録された1,950人だったとのこと。
また、ロシア軍がこれまでに被ってきた人的損害は、開戦から今年12月1日までの期間で合計74万2,130人に達したという。
『キーウ・インディペンデント』紙は11月29日付の記事の中で、ロシア軍の損害についてウクライナが発表した数値は「西側諸国による推計とほぼ同水準」だと指摘。
しかし、ロシア軍が失ったのは兵力だけではない。ウクライナ国防省によれば、同国軍は11月中にも多数の兵器や装備品を失った模様だ。
ウクライナ軍によって11月中に破壊されたロシア軍の車両は戦車307両、装甲戦闘車899両、迫撃砲884門となっている。
ウクライナ国防相の見解では、11月にロシア軍が被った物的損害は戦車だけで4億5,000万ドル相当に達したほか、装備品全体では推計30億ドルに上るという。
ウクライナ国防相いわく:「9月から10月にかけては、装備品を破壊されたことでロシアが受けた経済的影響は比較的小さかった。つまり、現在のロシアは戦争継続のためのコスト増大に直面していることが明らかになったと言える」軍事情報サイト「Defense News」が伝える。
同国防省はさらに、「クレムリンはこの戦争の長期化にともない、莫大な額の財源を浪費し続けている」とした。
もちろん、装備品の損失による影響は経済的なものだけではない。ウクライナ領内における軍事力の低下につながっているのだ。
ウクライナ国防省によれば、ロシア軍の戦車大隊はそれぞれ31両の戦車で構成されており、同軍は11月中だけで10個戦車大隊に相当する数の戦車を失ったそうだ。
また、ロシア軍の砲兵師団はそれぞれ18門の迫撃砲からなっており、同軍は11月中に49個砲兵師団に相当する損害を被ったとのこと。