反プーチン派指導者の妻、ユリア・ナワルナヤ氏に逮捕状
BBC放送によれば、モスクワの裁判所は7月9日、反プーチン派の指導者で2月に獄死したアレクセイ・ナワリヌイの妻、ユリア・ナワルナヤ氏に対し、「過激派集団に参加した」容疑で逮捕状を出したという。
『ニューヨーク・タイムズ』紙によれば、ナワルナヤ氏は2021年からロシア国外で暮らしているという。そのため、裁判は被告人欠席のまま行われたが、同氏は今後、ロシアに入国しようとすれば、たちまち逮捕されてしまうことになる。
ナワルナヤ氏の夫、アレクセイ・ナワリヌイ氏はロシアの著名な反体制派活動家であり、今年2月に北極圏の刑務所で不審死を遂げている。
「France 24」放送いわく、ナワルナヤ氏は夫の葬儀に参列することができなかった。また、遺体の扱いをめぐっては、粘り強く当局と交渉した結果、ようやく埋葬が認められたそうだ。
ロシア当局はナワリヌイ氏の死因について「自然死」だったと主張している。しかし、反プーチン派の人々はこの説明に納得していないようだ。
『ニューヨーク・タイムズ』紙によれば、ナワリヌイ氏はクレムリンによる暗殺未遂から生還したものの、当局が「でっちあげた」過激主義という罪に問われ、禁固19年の判決を受けていたとのこと。
CNN放送によれば、ユリア・ナワルナヤ氏は夫の死後、「幸福で素晴らしいロシア」を取り戻すため、ナワリヌイ氏の活動を引き継ぐと宣言。
さらに、同放送いわく、ナワルナヤ氏は夫の訃報に接して8分間におよぶ動画を投稿。「(プーチン大統領は)我が子の父親を殺害し、私から最愛の人を奪いました」と述べ、怒りをあらわにしたという。
ナワルナヤ氏はさらに、「あの男(プーチン大統領)にふさわしいのは刑務所です。むろん、ハーグにあるTV付きの快適な独房ではありません。ロシアの刑務所、アレクセイ(ナワリヌイ氏)を殺害した刑務所にある2×3メートルの独房です」と言葉を続けた。
果たして、ナワルナヤ氏はロシアにおいて、自身と夫に着せられた「過激主義者」という汚名を雪ぐことはできるのだろうか?