プーチン政権の「特別軍事作戦」にウンザリ：ロシア政治エリートたちの本音
忍耐の限界
ついに、まる3年になろうとするロシアによるウクライナ侵攻。どうやら、ウクライナ側もロシア側も忍耐の限界が近づいているようだ。
政治エリートたちの間で広がる「失望」
ロシア独立系メディアの「メドゥーザ」によれば、ロシアの政治エリートたちはプーチン政権がウクライナ侵攻をめぐって進める政策に「失望」しているとのこと。
「メドゥーザ」の取材対象となったエリートたち
「メドゥーザ」が取材したのは上下両院の議員やロシア各地の高官であり、なかにはプーチン政権に近い人物も含まれているそうだ。
「ウンザリした気分が漂っている」
あるロシア政府関係者は「メドゥーザ」の取材に対し、「失望に包まれています。誰もが戦闘の終結と終戦を期待していましたから。かなり以前から、ウンザリした気分が漂っています」とコメント。
政府関係者の本音
この人物によれば、ロシア政府はプーチン政権の「特別軍事作戦」に振り回され、希望を見出せないでいるらしい：「日ごとに事態が深刻化するようなものです。われわれは和平と引き換えに、なんらかの制裁解除がなされるものと期待していました。ところが、実際にはさらなる困難がのしかかって来るのです」
ジョン・カービー戦略広報調整官のコメント
実際、『キーウ・インディペンデント』紙は、米国のジョン・カービー戦略広報調整官のコメントとして、ロシアは「非常に手痛い敗北」に悩まされている、と伝えている。
ウクライナを経由するロシア産天然ガスの輸送がストップ
「非常に手痛い敗北」というのは戦闘における失敗のことではない。2025年1月1日をもって、ウクライナ領を経由するロシア産天然ガスの輸送がストップしたことを指しているのだ。
主要パイプラインの喪失
カービー戦略広報調整官によれば、ロシアはこれによって年間およそ65億ドルの収入を失うことになるそうだ。『キーウ・インディペンデント』紙が報じた。
人口動態の「時限爆弾」
しかし、ウクライナ侵攻の代償は経済的な損害だけではない。『キーウ・インディペンデント』紙いわく、ロシアはこの戦争の結果として、人口動態に「時限爆弾」を抱える可能性があるのだ。
21世紀末までに人口が半減？
同紙の取材を受けた専門家らは、ウクライナ侵攻以前からすでに減少傾向にあったロシアの人口が21世紀末までに半減するかもしれないと推定しているそうだ。
ウクライナによるクルスク州への逆侵攻
また、「メドゥーザ」によれば、ウクライナ軍がロシア領のクルスク州に逆侵攻を仕掛けたことで、早期の和平成立や対露制裁緩和への道筋は経たれてしまったとのこと。
第2次トランプ政権が発足
一方で、第2次トランプ政権の発足によって、2025年中には和平が成立し、国際社会におけるロシアの孤立も解消されるという見方もある。
米露の妥協点はあるのか？
しかし、「メドゥーザ」の取材に応じたあるロシア政府関係者は「プーチン大統領には譲歩できない要求があります。（中略）トランプ氏の掲げる条件はそれとは一致しません。どこに妥協点があるのかは不明です」と述べた。
和平はプーチン政権にとって好ましくない？
また、別のロシア政府高官によれば、和平の成立そのものがプーチン政権にとって好ましくない事態を招く可能性もあるという。
将来の展望を示すことができないプーチン政権
この人物は「メドゥーザ」に対し、「特別軍事作戦が終わったら、その後はどうなるでしょう？ どうして今、困難に見舞われているのか、将来どうなるのか、いつどのようにして状況が好転するのか、国民に伝えなくてはなりません。しかし、そんなことは誰にもわからないのです」と打ち明けている。
悪戦苦闘するプーチン大統領
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