プリゴジン氏はベネズエラで休暇中?:ある政治学者の怪しい見解
民間軍事会社ワグネルの創設者、エフゲニー・プリゴジンは2023年8月23日、モスクワ北西部で発生した飛行機墜落事故により62才で亡くなった。少なくとも、そういうことになっている。
英タブロイド紙『デイリー・メール』はこの一件について、ロシアの政治学者、ヴァレリー・ソロヴェイ氏の異なる見解を伝えている。彼によると、エフゲニー・プリゴジンは生きているばかりか、カリブ海のマルガリータ島(ベネズエラ)でリゾートを満喫しているという。
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さらにソロヴェイ氏によると、プーチン大統領は大病を患っており死期が近く、私たちが公の場で目にしているのは彼の影武者だという。
だが、話をプリゴジン氏に戻そう。『デイリー・メール』はウクライナ軍情報機関の報告を持ち出しながら、プリゴジン存命説の信憑性について検討している。しかし、プリゴジン氏は本当に、ロケットランチャーとライフル銃をカクテルグラスとカリブ海のビーチに取り換えたのだろうか?
ソロヴェイ氏の陰謀論めいた仮説によると、プリゴジン氏は「あなたの乗る飛行機が爆破される」という警告を何者かから受けとり、別のルートをとったという。「そう、警告があったのです」と、ソロヴェイ氏は断言する。
その警告の出どころは、プーチン大統領と彼の側近のニコライ・パトルシェフだという。どこかに身を潜め、大統領の求めに応じて即座に任務を遂行する、といった条件とひきかえに、プリゴジン氏の命を保証したのである。少なくとも、ソロヴェイ氏の見解ではそうなっている。
大統領の求めがあった場合、プリゴジン氏には5000人規模の忠実な傭兵部隊が付けられることになっている、とソロヴェイ氏は続けている。
ソロヴェイ氏によると、この協力関係を確固たるものとするために、プリゴジン氏が自由に使えるのは自身の全財産の7分の1のみとなっており、残りの資産はプーチン大統領の近親者が管理しているという。
しかし、この仮説において真に興味深い点は、ワグネルの創設者のプリゴジン氏が、ウクライナにおける命がけの戦場を捨て、ベネズエラでのんびりバカンスを楽しむことにしたということだ。
ところで、リゾート地、マルガリータ、生存説とくれば、エルヴィス・プレスリーを連想する人もいるかもしれない。プレスリーは映画『アカプルコの海』でマルガリータという娘と恋に落ちるのだった。エルヴィス生存説よりはプリゴジン生存説のほうがまだ本当らしいが、どちらも眉に唾をつけて接するほうがいいだろう。