フランス中部と南部で大規模な洪水が発生:画像で追う被災地域
10月17日にフランス各地を襲った集中豪雨。 洪水の危険性があるとして6つの地域に赤の警報(最も警戒を要する)、34の地域にオレンジの警報(十分な警戒を要する)が出された。
アニエス・パニエ=リュナシェ仏エコロジー移行大臣は、「未だかつてない、甚大な被害です。洪水を防ぐためのあらゆる設備が、大雨の影響を受けました」と述べた。
フランス南部に位置するアルデーシュ県は、今回の豪雨で最も深刻な影響を受けた県の一つだ。「アルデーシュでは、48時間で60oミリもの降水量を記録しました」と同大臣は付け加えた。
アルデーシュ県の最大都市であるアノネーの副市長、ロマン・エヴラールは、仏ラジオ局「RTL」で、「今回この地域で起こった災害は、あっという間の出来事で、いつも通りに対応することは困難でした」と説明した。
仏放送局「TF1 Info」によると、集中豪雨によりアルデーシュ県では、消防が230回以上出動したという。写真からも、増水により道路標識が倒れている様子が見て取れる。
フランス有数のワイン産地であるロワール県も、豪雨に見舞われた。この写真は、大きな被害を被ったブール・アルジェンタ村の様子である。
ブール・アルジェンタ村から約15キロ離れた、マクラという小さな村も、今回の豪雨の影響を受けている。
ロワール県から程近いジボールでは、大型スーパーの駐車場が完全に水没してしまった。約100人が夕方まで店内に足止めされたと仏紙『フィガロ』は報じている。
ジボール付近の高速道路は洪水の影響を受け、閉鎖されたそうだ。
フランス南西部ではニーヴ川が氾濫。バスク地方の中心地であるバイヨンヌでは、街中が浸水の被害に見舞われた。
バイヨンヌの街中を、膝下まで水に浸かりながら移動した猛者たちもいたらしい。
店舗前に浸水を防ぐためのバリケードを設置するなど、街中の飲食店は洪水の対応に急遽追われることとなった。
赤色警報の発令に伴い、南仏・ニースでは、公園や墓地、ビーチへの立ち入りが制限された。「最も危険とされている地域からの避難を余儀なくされました」と同市のクリスチャン・エストロシ市長は仏ラジオ局「RTL」で発言している。
パリを含むイル=ド=フランス地域圏の一部でも、大雨洪水警報が発令。「かなりの降雨量が予想され、洪水や河川の氾濫が引き起こされる可能性がある」とフランス気象局は指摘した。
イル=ド=フランス地域圏の中でも、セーヌ=エ=マルヌ県のように、警報が発令するほどの事態とはならなかった地域も存在している。
パリ東部に位置するグラン・モラン川の氾濫により、水没した町も存在しており、数百人が避難生活を余儀なくされた。気候変動に伴い、ますます激甚化する自然災害に備える必要が高まっている。