ハリケーン「ベリル」が最大レベルに到達、カリブ海で猛威を振るいながらジャマイカに接近
大西洋で発生したハリケーン「ベリル」が勢力を増し、7月1日に最大レベルの「カテゴリー5」に達した。専門家たちは、カリブ海を南東から北西にかけて横断するこのハリケーンが「壊滅的な被害をもたらす可能性がある」としている。
米国の国立ハリケーンセンターは、X(旧Twitter)への投稿を通じ「カリブ海を横断中のハリケーン『ベリル』は最大レベルのカテゴリー5に到達。今週後半にはジャマイカに接近し、人命に関わる強風と高波をもたらす可能性がある」と注意を呼び掛けた。
同センターによれば、今シーズン最初に発生したハリケーンである「ベリル」の最大風速は時速約260キロメートル。7月1日に中米グレナダで最初の被害をもたらした。
7月1日、「ベリル」はカリブ海の南東に位置するセントルシア島、つづいてグレナダ領カリアク島に上陸。現地では記録的な暴風により多くの家屋で屋根や窓、ドアなどが吹き飛んだという。CNNが報じた。
英紙『ガーディアン』によれば、ハリケーンが通過したエリアではバナナの木が真っ二つに折れ、牧草地では牛が死んでいるのが発見されたという。
「ベリル」は中米グレナダのカリアク島を襲ったとき、観測史上最も早く「カテゴリー4」に達していた。米国立ハリケーンセンターはその原因として異常に高い今年の海面温度を上げている。
英紙『ガーディアン』紙によれば、グレナダのディコン・ミッチェル首相は報道陣に対し、7月1日の夜に暴風雨により少なくとも1人が死亡したと明かした。
ハリケーン被害の全容はいまだ明らかになっていないが、いくつかの深刻な影響が報告されている。AFP通信が「わずか30分でカリアク島は更地に帰した」という同国首相の言葉を伝えた。
カリブ海の島国グレナダとセントビンセント・グレナディーンに大きな被害をもたらした「ベリル」は現在、北西へ向かって進行を続けている。
そして7月3日にジャマイカを直撃し、記録的な暴風と高波をもたらすと予想されている。
「ベリル」は7月4日にはメキシコのユカタン半島に到達するとみられるが、それまでに徐々に勢いを落としていき上陸時には「カテゴリー1」になると予想されている。