ハマス奇襲の追悼式典で不謹慎なダンスを披露、人々の不興を買うトランプ前大統領
昨年10月7日にハマスがイスラエルに対して行った奇襲攻撃から1年が経った。追悼式典を催したトランプ前大統領だったが、演説後にお気に入りの曲「Y.M.C.A.」で会場を盛り上げ、ふたたび避難を浴びることになってしまった。
トランプ大統領は10月7日、フロリダ州ドラルに自身が所有するゴルフ場で、ハマスの奇襲攻撃による犠牲者をいたむ「追悼イベント」を開催。この式典にはユダヤ人コミュニティのメンバーも参加していた。
『インデペンデント』紙の報道によれば、演説を終えたトランプ前大統領はヴィレッジ・ピープルの「Y.M.C.A.」を会場に流し、得意のダンスを披露したとのこと。
同紙いわく:「トランプ前大統領は音楽に合わせて拳を振り上げると、『ダブルジャーク』と呼ばれる振り付けを披露した」この振り付けは両手の拳を交互に振るという単純なものだ。
トランプ前大統領が踊ったのはわずか数秒間に過ぎない。しかし、フリージャーナリストのアーロン・ルパー氏が動画を撮影するには十分な時間だった。そして、この動画はX上に投稿され、トランプ前大統領に対する非難の嵐を巻き起こすこととなった。
ルパー氏のコメントは「トランプ氏は10月7日の追悼イベントで、演説後に『ダブルジャーク』を踊った」というシンプルなものだった。しかし、これを見たXユーザーたちはトランプ前大統領を厳しく非難するリプライを寄せ始めた。
『インデペンデント』紙によれば、件のX投稿には「追悼式典でY.M.C.A.を耳にしたのは始めて」「トランプ陣営は厳粛な追悼式典をディスコパーティーにしてしまった」といった辛辣なコメントが並んだという。
また、「まさか(追悼式典が)祝い事だとは思わなかった。人質や犠牲者の家族は身震いしているはずだ」というコメントもあった。しかし、トランプ前大統領を批判したのはネットユーザーばかりではない。
『The New Republic』誌のエリー・クインラン・ホータリング記者は今回の件について、トランプ前大統領は追悼式典を選挙キャンペーンの一環として、自分勝手に利用してしまったと説明。
同記者は「ドナルド・トランプ氏ほどショーに長けた人物は他にいません」と述べ、「人質たちの写真の隣で不謹慎な笑顔を見せたばかりか、集会用のお気に入り曲でダンスしてしまったんです」とした。
一方、ニュースメディア「ハフポスト」によれば、ヴィレッジ・ピープルはトランプ陣営に対し、選挙キャンペーンで「Y.M.C.A.」を使用しないよう求める書簡を送ったという。しかし、トランプ前大統領は要請を無視してこの曲を使用し続けている模様だ。