トランプ大統領2期目開幕:アメリカ国外の人々は再選をどう見る?
ドナルド・トランプ大統領は昨年11月に再選され、1月20日に正式に2期目が始まった。トランプ大統領は就任早々から外交・経済・移民など各分野で怪気炎をあげており、世界はすでにその衝撃に息をのんでいる。
世論調査サイト「538」によると、半数近くの米国民がトランプ大統領に好印象を持っているという。だが、アメリカ国外の人々からはいったいどのように見られているのだろうか。
この疑問に答えてくれるのが、シンクタンク「欧州外交評議会(ECFR)」が行った世界24カ国28,000人を対象とした世論調査だ。気になる結果をチェックしてみよう。
ウクライナや中東など、世界ではいまだ戦乱が続いているが、調査対象者全体の38%はトランプ大統領が再選したことは世界平和にとって好ましいと考えているようだ。
さらに驚きなのが、37%の人がトランプ大統領再選はそれぞれの人の自国にとって良い結果をもたらすとみなしていることだ。実際には、ここ数週間、トランプ大統領からは保護主義的な発言や他国の領土を狙うような攻撃的な発言も相次いでいるのだが。
トランプ大統領の支持率が最も高い国はインドで、実に85%がトランプ大統領は米国にとってプラスになるとし、84%がインドにとっても好ましいと考えている。次点はサウジアラビアでそれぞれ69%と61%の人が同様の考えを持っている。
西側諸国と真っ向から対立しつつあるロシアでは、トランプ大統領がアメリカにとってプラスになるとした人の割合は59%で、49%がロシアにとっても好ましいとした。
同じくアメリカの仮想敵国筆頭格の中国では、50%がアメリカにとってプラスと評価、46%が中国にとってもプラスになるとした。
他にも、昨今成長しつつある国の多くがトランプ大統領をアメリカや自国にとって好ましいと評価している。ブラジル(56%/43%)、南アフリカ(53%/36%)、トルコ(53%/35%)などが好例だ。
一方で、アメリカと長年の同盟関係を結んでいるヨーロッパでは、トランプ大統領への印象は良くないようだ。NATO離脱や米軍撤退などを何度もちらつかせてきたことの必然的結果だろう。
EU諸国11カ国の国民はトランプ大統領のことを、34%がアメリカにとってプラス、22%が自国にとって好ましいと考えている。
アメリカとの間にとりわけ密な関係を築いているイギリスだが、トランプ大統領への評価はEU以上に厳しい。トランプ大統領がアメリカにとってプラスだと考えているのはたった24%で、イギリスにとってだとその数字は15%まで低下する。
欧州全体でみても、アメリカを同盟国として考えている人の割合は22%まで低下している。これは1年前から9%の減少だ。大統領選挙の結果が如実に表われていると見るべきだろう。
常日頃から北朝鮮の脅威に曝されている韓国でも、トランプ大統領が軍事費負担の増大を求めてくるという懸念があり、今回の再選には警戒の目を向けている。
実際、トランプ大統領が自国にとってプラスになるとした人の割合は11%で調査対象となった国の中では最低だった。一方で、自国にとってマイナスだとした人は67%にも達した。
ECFRによると、非西側諸国でのトランプ旋風は「勝ち馬に乗ったつもり」から生じているといい、トランプ大統領が実際に高い関税を課したり、世界の紛争を解決することにてこずったりすれば、その気分は「すぐに変わる」だろうと言われている。
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