暗殺未遂を受けて団結するトランプ陣営:対抗できるのはミシェル・オバマ夫人だけ?
バイデン大統領が討論会で失態を演じる一方、トランプ前大統領は暗殺未遂を切り抜けたことで株を上げている。このような状況の中、民主党からは候補者交代を求める声が挙がっており、トランプ前大統領の対抗馬として元ファーストレディのミシェル・オバマ夫人に注目が集まっているようだ。
ロイター通信および市場調査会社イプソスが行った最新の世論調査によれば、民主党員の3分の1がバイデン大統領は撤退すべきだと考えているそうだ。しかし、それが実現した場合、民主党にとって問題となるのは頼れる候補者を擁立しなくてはならないということだろう。
米国人1,070人を対象として行われた今回の世論調査では、民主党の候補者としてトランプ前大統領に対抗できるのは誰かという質問もなされていた。その結果、あの人物が圧倒的な人気を見せたというのだ。
それはバラク・オバマ元大統領の妻、ミシェル夫人だ。仮に民主党の候補者として出馬すれば、トランプ元大統領に11ポイント差をつけて当選する勢いだという。
一方、カマラ・ハリス副大統領を支持する声はミシェル夫人に遠く及ばない。世論調査の結果によれば、同氏が民主党候補者となった場合には、1ポイント差で落選する可能性が高いというのだ。
とはいえ、ロイター通信によれば、「ハリス副大統領はここ数ヵ月でバイデン大統領の裏方という役割から抜け出し、政権内で中絶の権利を擁護するキーパーソンとなっている」という。実際、世論調査でも、民主党内でバイデン大統領より4ポイント支持率が高いという結果が得られている。
しかし、民主党員の大半はハリス副大統領の出馬を支持していないようだ。具体的には、バイデン大統領よりもハリス副大統領の方が集票力があると答えた民主党員は18%に留ったのに対し、81%が反対またはわからないと回答したのだ。
今回の世論調査では、民主党の新星として知られるカリフォルニア州のギャヴィン・ニューサム知事も選択肢として含まれていたが、仮に同氏が出馬した場合には3ポイント差でトランプ元大統領に敗れる見込みとなった。
世論調査ではバイデン大統領に代わる民主党候補者としてその他の選択肢もいくつか提示されたが、いずれも知名度に難があった。例えば、ケンタッキー州のアンディ・ベシア知事については70%が名前を聞いたこともないと答えている。
当然、ベシア知事が出馬してもトランプ前大統領には勝てないということになるが、落選する見込みだという意味ではミシェル・オバマ夫人以外、全員が五十歩百歩なのである。
ちなみに、ミシガン州のグレッチェン・ホイットマー知事は5ポイント差で落選、イリノイ州のJ・B・プリツカー知事は6ポイント差で落選となっている。
メディアや有権者、さらには民主党内部からもバイデン大統領の撤退を促す声が高まっているが、世論調査の結果を見る限り、誰を擁立したとしても民主党の下野は避けがたい状況だ。
民主党がどのような決断を下すのか、現時点では明らかになっていない。しかし、討論会におけるバイデン大統領の失敗が米国の有権者たちに大きな影響を与えてしまったことは、他の世論調査からも伺うことができる。たとえば、CNN放送が行った世論調査でも、トランプ前大統領がバイデン大統領を大きくリードしていることが示されているのだ。
CNN放送の世論調査によれば、トランプ前大統領が49%の支持率を獲得したのに対し、バイデン大統領の支持率は43%。同放送が今年4月に行った以前の世論調査とまったく同じ結果だったとのこと。
また、ハリス副大統領が出馬しても民主党の勝利は望み薄だ。CNN放送の世論調査によれば、このシナリオではトランプ大統領が47%の支持を得るのに対し、ハリス副大統領の得票率は45%に留まると見られているのだ。
それでも、民主党はバイデン大統領以外の人物を擁立した方が勝機があると答えた有権者は75%に上った。そこで、前出のニューサム知事やホイットマー知事、ピート・ブティジェッジ運輸長官といった候補者の出馬が取り沙汰されわけだが、世論調査では結局、トランプ前大統領に勝てないという結果になってしまった。
ちなみに、CNN放送の世論調査では、ミシェル・オバマ夫人の名前は選択肢になかった。というのも、同夫人の広報担当が今年3月に「以前から繰り返し表明している通り、(ミシェル夫人は)大統領には出馬しません」と断言しているためだ。また、NBC放送によれば、ミシェル夫人はバイデン大統領とハリス副大統領のコンビを支持しているとのこと。
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