トランプ前大統領が抱える法的問題:大統領選に悪影響を与える可能性も
ジェットコースターのような急展開を迎えているアメリカ大統領選。ドナルド・トランプ前大統領の再選への道のりには、依然として大きな困難が立ちはだかっている。
米AP通信は、8月末にジャック・スミス特別検察官がトランプ前大統領に対する起訴状を修正して提出したと報じている。
カタールのテレビ局「アルジャジーラ」によると、主な起訴内容は以前と変わらず、2020年の大統領選挙について不正投票があったと証拠を示さずに主張を続け、選挙結果を覆そうとしたことが問題となっている。
米AP通信によると、元米大統領に対しては大統領在任中の行動については免責を認める判決を最高裁が下したことを受けて、公判の開始が遅れていたのだ。
前出の「アルジャジーラ」によると、米最高裁判所はトランプ前大統領に対する裁判において、大統領経験者の在任中の公務に関わる行為には「免責特権」を認めるという判断を下している。
修正された起訴状では、トランプ前大統領が米国司法省の法執行権限を利用して、自身の選挙敗北の結果を覆そうとしたとする部分が削除されている。
同放送局によると、トランプ前大統領はこの件を含め、計4件の裁判を抱えているということだ。なおその内の1件である「口止め料」に関する裁判では、すでに有罪となっている。
米CNNによると、11月のアメリカ大統領選前に今回新たな起訴状が出された事件が裁判にかけられる可能性は低いと指摘している。
同放送局は起訴状が新たに提出されたことで、トランプ前大統領の独善的な態度や犯罪への関与を問題視する有権者も現れたと報道している。
共和党が問題を抱える一方、民主党では、ジョー・バイデン現大統領が大統領選からの撤退を表明し、後任として指名されたハリス副大統領はますます勢いを増している。
トランプ前大統領はこうしたスキャンダルを意に介せず、むしろ選挙活動のために利用しようとしている。今後もトランプ前大統領の動向から目が離せない。