ウクライナ軍がロシア軍の電子戦システムを破壊
最近ウクライナ国防省情報総局と第45独立砲兵旅団が実施した作戦を通じて、ロシア軍が重要な電子装備を失ったと伝えられている。
The Daily Digest をフォローして世界のニュースをいつも手元に
ウクライナ国防省情報総局(GUR)はTelegramを通じて、ロシア軍がウクライナ領内でひそかに運用していた電子戦システム「R-330Zh ジーテリ」を発見し、破壊したと発表。
画像:Wiki Commons By Mil.ru, CC BY 4.0
GURの実働部隊は第45独立砲兵旅団に所属する偵察航空隊と協力して、「R-330Zh ジーテリ」を発見したという。
画像:Telegram @DIUkraine
ドネツク州にある集落、ノヴォルハンシケで発見されたこの電子戦兵器はロシア軍のものと識別され、ただちに破壊されたとのこと。
画像:Telegram @DIUkraine
GURの発表によれば、この作戦は7月6日に実施されたもので、「R-330Zh ジーテリ」に加え、ロシア軍が戦車用の装備品や弾薬を保管するために設けた物流拠点も標的になったという。
画像:Telegram @DIUkraine
ウクライナの戦場では電子戦の重要性がますます高まっており、ロシア軍の「R-330Zh ジーテリ」を破壊したことはウクライナ側にとって大きな戦果だ。
画像:Telegram @DIUkraine
軍事情報サイト「Army Recognition」は「R-330Zh ジーテリ」について、敵が用いるさまざまな信号を分析してその居所を突き止めたり、電波妨害を行なったりする装置だと説明している。
画像:Wiki Commons By Vitaly V. Kuzmin、CC BY-SA 4.0
この電子戦システムはまた、100~2,000メガヘルツの周波数帯を利用する携帯電話や衛星の通信を妨害することができるため、戦場では非常に便利だという。
ウクライナの軍事情報サイト「Militarnyi」は今年5月にも、ウクライナ軍がドネツク州で「R-330Zh ジーテリ」を発見し、破壊したと伝えていた。
画像:Telegram @savelifeua
「R-300Zh ジーテリ」を破壊するためにウクライナ軍が用いたのは、米国から供与された高機動ロケット砲システム(HIMARS)だった。
画像:Telegram @savelifeua
さらに、上空ではウクライナ製ドローン「SHARK」が作戦の一部始終を見守っていた。「Militarnyi」いわく、このドローンはカムバック・アライブ財団がウクライナ軍に提供したものだった。
同サイトによれば、ウクライナ軍の「SHARK」ドローンはまず、「R-330Zh ジーテリ」が木陰に隠れているのを突き止め、砲兵が照準を合わせるのをサポートしたそうだ。
画像:Telegram @savelifeua
また、今年4月には、ウクライナ軍第3独立強襲旅団に所属する特殊部隊がロシア軍の「R-330Zh ジーテリ」を破壊し、その様子をTelegramで公表している。
画像:Telegram @ukr_sof
『ウクライナ・プラウダ』紙いわく:「ザポリージャ州の前線で偵察を行っていた第3独立強襲旅団の特殊部隊員が『R-330Zh ジーテリ』電子戦システムを発見した」
その後、「ウクライナ軍はロケット砲部隊と砲兵部隊が敵に照準を合わせた。そして、連携の取れた作戦によって、ジャミング装置『R-330Zh ジーテリ』を破壊した」という。
同時に公開された動画には「R-330Zh ジーテリ」が破壊される様子が捉えられており、標的に直撃したロケット砲の破壊力を窺い知ることができる。