ウクライナ軍がロケット砲攻撃でロシア軍の最新防空システムの破壊に成功

ロシア軍の最新防空システムを破壊
その様子を捉えた動画
クルスク州での出来事
空挺強襲旅団と連携してターゲットを攻撃
「空の寄生虫退治」
最新式の防空システム
ミサイル防衛で威力を発揮するはずが……
射程距離は65キロメートル
森林沿いを走行するロシア軍車両
2つのモデル
2種類の発射装置
長時間に及んだ作戦
森林に挟まれた野原
ロシア軍車両の特定
最後のシーンで事態が一転
ウクライナ軍が攻撃に用いた兵器は?
ロシア軍の「Buk-3」は破壊されたのか?
ウクライナ国防省の主張
「ウクライナの戦士たちが破壊」
ロシア軍の最新防空システムを破壊

ウクライナ軍は今年9月、クルスク州でロシア軍が誇る最新式の中距離防空システムを発見したという。これはロシア軍の装備の中でも最新式の9K317-M「Buk-M3」であり、ウクライナ軍はこれを破壊したとしている。

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その様子を捉えた動画

任務に当たったウクライナ軍部隊は作戦の様子を捉えた動画を公開。そこに映っていたのは、ロシア軍の防空システムめがけてロケット砲攻撃を行うウクライナ兵だった。

画像:Telegram @raid_413

 

クルスク州での出来事

まず、ロシア軍が運用する「Buk-M3」を発見したのはウクライナ軍の第413独立無人システム大隊に所属するドローン操縦士だった。この部隊は当時、ロシア領クルスク州で活動していたという。

画像:Wiki Commons By Mil.ru, CC BY 4.0

 

空挺強襲旅団と連携してターゲットを攻撃

その後、同大隊は第78空挺強襲旅団と連携し、敵の防空システムに対する攻撃に取り掛かった。

 

「空の寄生虫退治」

ウクライナの軍事情報サイト「Militarnyi」によれば、第413独立無人システム大隊はTelegram上に「クルスク州にて。わが軍は空の寄生虫退治を行っている。『Buk-M3』」と投稿。

 

最新式の防空システム

同サイトいわく、『Buk』シリーズはロシア軍が運用する自走式の中距離地対空ミサイルシステムだが、なかでも『Buk-M3』は最新式のものだとのこと。

画像:Wiki Commons By Nickel Nitride, Own Work, CC0

ミサイル防衛で威力を発揮するはずが……

同サイトはさらに、「この防空システムはアクティブ・レーダー・ホーミング(電磁波を利用して目標を追跡するシステムの一種)を備えたミサイルを発射するため、防空に加えてミサイル防衛でも威力を発揮し、戦場における有効性が向上している」と解説。

画像:Wiki Commons By Leonidl, Own Work, CC BY-SA 3.0

射程距離は65キロメートル

一方、『ニューズウィーク』誌は「Buk-M3」について、弾道ミサイルをはじめとする空中目標を最大65キロメートル離れた地点から精密誘導弾で迎撃できるとした。

画像:Wiki Commons By Yuriy Lapitskiy, CC BY-SA 2.0

森林沿いを走行するロシア軍車両

ウクライナ軍が公開した映像には、クルスク州の森林沿いを走行する2両のロシア軍車両が映っている。その後、これらはそれぞれ別のモデルの「Buk」防空システムであることが判明した。

画像:Telegram @raid_413

2つのモデル

「Militarnyi」によれば、これらの車両はそれぞれ9A317M(TEL)、9K317M(TELAR)と呼ばれるモデルだったが、ウクライナ軍の攻撃を受けたのは後者だったという。

画像:Wiki Commons By Vitaly V. Kuzmin, CC BY-SA 4.0

2種類の発射装置

同サイトいわく:「『Buk-M3』システムの特徴は2種類の発射装置があることだ。探知・追尾レーダーに加えて6発のミサイルを備えたTELARと、自前のレーダーは持たないが2連式の弾薬を備えたTELだ」

長時間に及んだ作戦

ロシア軍が運用する2両の防空システムは日中に発見されたようだが、ウクライナ軍の攻撃が行われるころには薄暗くなっており、作戦が長時間に及んだことを物語っている。ただし、これは映像の画質によるものだという可能性もある。

画像:Telegram @raid_413

森林に挟まれた野原

ウクライナ軍が公開した動画はロシア軍車両の位置を示すため、シーンの編集がなされている。この映像を見る限り、現場となったのは両側を森林に挟まれた野原のようだ。

画像:Telegram @raid_413

ロシア軍車両の特定

さらに、動画の中では、一方の車両が「Buk-M3」だと特定されたことが説明されている。ただし、もう一方の車両については言及がなかった。

画像:Telegram @raid_413

最後のシーンで事態が一転

動画は38秒間の長さで、しばらくは何も起こらないが、最後のシーンで事態が一転する。どうやら、ロシア軍車両のうち一方がウクライナ軍のミサイルを被弾し、もう一方の車両が地対空ミサイルで応戦したらしい。

画像:Telegram @raid_413

ウクライナ軍が攻撃に用いた兵器は?

攻撃の様子からは、ウクライナ軍が用いた兵器はHIMARSだったことが窺える。ただし、第413独立無人システム大隊は作戦の詳細を明かしていない。一方、「Militarnyi」は「誘導型MLRSが(「Buk-3」に)ほぼ直撃した」と説明している。

画像:Telegram @raid_413

ロシア軍の「Buk-3」は破壊されたのか?

同サイトはまた、映像の画質が低いため、「自走式車両(「Buk-3」)が本当に被弾したのか、破壊されたのかを確かめることはできない」とした。

画像:Telegram @raid_413

ウクライナ国防省の主張

しかし、ウクライナ国防省はXアカウントを通じて、敵の「Buk-M3」を破壊したと主張。

画像;Telegram @raid_413

「ウクライナの戦士たちが破壊」

同国防省の投稿いわく:「ロシア軍の『Buk-M3』防空システムによからぬことが起きました。ウクライナの戦士たちに破壊されてしまったのです」

画像:Telegram @raid_413

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