ウクライナのペトロ・ポロシェンコ前大統領、母国軍に最新鋭装備を寄付
ウクライナの前大統領であるペトロ・ポロシェンコ氏が、ウクライナ軍に3つの強力な電子戦装備を寄付した。しかも、前大統領が軍に対して先進的な兵器を寄付するのはこれがはじめてではない。
ポロシェンコ氏はは2014年6月から2019年5月までウクライナの大統領を務めていた。2019年の選挙でゼレンスキー現大統領に敗れ、現在はウクライナ最高議会議員として、また自身が設立した政党「欧州連帯党」党首として活動している。
ポロシェンコ前大統領はウクライナ財界の重鎮でもあり、2022年のロシアによる全面侵攻開始以降はウクライナの国益を守るために熱心に活動している。
欧州連帯党のウェブサイトによると、そのポロシェンコ前大統領は全面侵攻開始から半年の間に、ウクライナ軍に4,600万ドル(約68億円)相当の資金を寄付したという。
画像:Facebook @petroporoshenko
また、ポロシェンコ氏のフェイスブックアカウントでは、同氏の援助によってウクライナ軍が手に入れた数々の兵器が紹介されている。その種類も様々で、ドローンや無線機から小火器や先進的な車両まで、多様な兵器がポロシェンコ氏の手を経てウクライナへとわたっている。
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今回ウクライナに供給された「アイ・ペトリSV」もポロシェンコ前大統領がもたらしたものだ。「アイ・ペトリSV」はロシア側の偵察・攻撃ドローンを妨害することができる電子戦システムだ。
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9月22日、ポロシェンコ前大統領は3基の「アイ・ペトリSV」システムをウクライナの秘密部隊に供与した。その運用は極秘であり、ポロシェンコ前大統領のフェイスブック投稿によると部隊の名前も明かせないのだという。
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「配備される部隊は極秘なので、わたしが名前を漏らしてしまうとあなたの家にふたりの『メン・イン・ブラック』がやってきて記憶を消すことになるでしょう」とポロシェンコ前大統領は冗談めかしつつ書いている。軍事メディア「Militarnyi」によると、同システムはまずはウクライナ軍参謀本部対技術諜報部本部に送られたとされている。
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同じく「Militarnyi」によると、ポロシェンコ氏は同システムについてこう語ったという:「『アイ・ペトリSV』システムは接敵ラインの数十キロ前から、ロシアの邪悪なドローン(『Orlan』や『Superkam』『Lancet』Mavics』FPVドローンなど)を妨害して我が軍の部隊を守ることができます」
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今回ポロシェンコ氏は「アイ・ペトリSV」システムだけでなく、そのシステムを取り付けるためのピックアップトラックや秘密通信システム、指揮・兵員輸送車両、発電機なども一緒に寄付している。
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「Militarnyi」によると、「アイ・ペトリSV」システムは「電子戦基地、近代的レーダー基地、対ドローンデバイス」が組み合わさったものだという。ドローンや自動操縦車両だけでなく、誘導爆弾も妨害可能とされている。
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「Army Recognition」は同システムについてこう書いている:「『アイ・ペトリSV』はただ電波をジャミングするだけではない。ドローン操縦者からの通信を正確に阻害し、無人機の操作も妨害、FPVドローンの向きを変えさせ、誘導爆弾すら妨害することができる」
また、「アイ・ペトリSV」のドローンや無人機に対する最大妨害可能距離は20kmに達するのだという。複数のメディアが報じている。
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「Army Recognition」は同システムについてこう書いている:「『アイ・ペトリSV』はウクライナの電子戦技術が進歩したことを如実に示している。敵がドローンや誘導爆弾を大量に使用していることに対応した形だ」
ポロシェンコ前大統領は開発段階から関わっており、「Militarnyi」によると11月には「アイ・ペトリSV」の開発に2億フリヴニャ(約7億2,000万円)を投資しているという。
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「Euromaidan Press」によると、最初の「アイ・ペトリSV」は2024年4月にウクライナに配備されており、開発期間はわずか5ヶ月と非常に短いのだという。この種の先進的な装備の開発には5〜8年ほどかかるのが普通だとされている。
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