ウクライナ軍、ロシア南部クルスク州で重要な橋の破壊に成功

ウクライナ軍による越境攻撃
重要インフラの破壊に成功
「コーン・グループ」が破壊
カリザハ村付近の橋
西側兵器を活用
攻撃の様子を映した動画が公開される
3発目で大きな爆発が起きる
軽車両は通行可能か
戦略上重要な地点
他の重要地点にも近い
越境攻撃の現況
グルシコヴォの孤立を狙う
他にも橋を破壊
3つのポンツーンを破壊
最大3,000人のロシア兵が孤立か
完全に包囲されたわけではない
安全に避難する経路を失う
ロシア軍には好ましくない状況
ウクライナ軍による越境攻撃

今年8月、ウクライナ軍はロシア領への越境攻撃を開始した。国境沿いにあるロシア南部のクルスク州に兵を送り込み、ロシアにとり戦略的に重要なインフラを攻撃している。

重要インフラの破壊に成功

今回破壊したのはクルスク州にある橋で、ウクライナ陸軍第116独立機械化旅団の「コーン・グループ」がその攻撃の様子を公開している。

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「コーン・グループ」が破壊

「コーン・グループ」は同旅団内の監視・索敵部隊のニックネームで、クルスク州の橋を攻撃したのもその「コーン・グループ」だ。

画像:X @Militarylandnet
カリザハ村付近の橋

問題の橋はロシアの村カリザハ付近に位置しており、軍事メディア「Militarnyi」によるとコーン・グループは西側に供与されたロケット砲を用いて攻撃したという。

画像:Google Maps

西側兵器を活用

「Militarnyi」によると攻撃に利用されたのはアメリカ製のM142高機動ロケット砲システム(HIMARS)もしくはM270多連装ロケットシステム(MLRS)だという。橋は完全に破壊こそされなかったものの、大きなダメージを負ったとされている。

攻撃の様子を映した動画が公開される

コーン・グループはテレグラムチャンネル上で、偵察ドローンが撮影した橋への攻撃の様子を公開している。その動画からは、橋の一部は攻撃を免れかろうじて利用可能なようにも見える。

画像:Telegram @khornegroup

3発目で大きな爆発が起きる

ドローンは3回にわたる攻撃の様子を撮影している。『キーウ・ポスト』紙によるとこの橋はもともと損傷を被っていたという。同紙は今回の攻撃についてこう解説している:「最初の2発はクラスター弾を橋上あるいは水上に放っており、3発目で大きな爆発が生じた」

画像:Telegram @khornegroup

軽車両は通行可能か

「Militarnyi」の見解では、補強用の板を渡すなどすれば軽車両がこの橋を渡ることはいまも可能だという。逆に言うと、戦車などの装甲車両は通過が困難だということでもある。

画像:Telegram @khornegroup

戦略上重要な地点

カリザハ村付近の橋を破壊したことはウクライナ側にとって顕著な戦果といえる。なぜなら、同村はウクライナによる越境攻撃の要となっているセイム川から約7kmの地点にあるからだ。

画像:Telegram @DeepStateUA

他の重要地点にも近い

また、カリザハ村はクルスク市から27kmほど、グルシコヴォ市街地から12kmほどの位置にある。アナリストらは、両地点ともウクライナが越境攻撃での占領を目指している重要な目標だと考えている。

画像:X @prestonstew_

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越境攻撃の現況

「Militarnyi」が9月8日に出したレポートではこう書かれていた:「ひと月ほど前、ウクライナ軍はロシアとの国境を越えてクルスク州に攻め入った。現在、ウクライナ軍は1,000平方kmにおよぶ領域、10を越す集落、そしてスジャの町を占拠している」

グルシコヴォの孤立を狙う

「Militarnyi」はさらにこうも述べている:「8月後半以来、ウクライナ軍はグルシコヴォ周辺のエリアを孤立させるための作戦を続けている」また、ロイター通信によると、ウクライナは8月にセイム川にかかる他の橋3つも攻撃・破壊しているという。

画像:X @ukraine_map

他にも橋を破壊

同じく「Militarnyi」によると、ウクライナ軍は「セイム川にかかる橋やポンツーン(舟橋)も破壊」しており、それはロシア軍の同地域での戦闘を阻害することが目的だという。

3つのポンツーンを破壊

『キーウ・ポスト』紙のシュテファン・コルシャク記者はこう書いている:「8月中旬以降、ロシアの工兵は少なくとも3つのポンツーンをセイム川に架けた。だが、軍事メディアによると、ウクライナ軍は偵察によってそれを発見し次第破壊したとされる」

画像:X @Osinttechnical / Base Map X @AndrewPerpetua / Images Telegram @zsuwar

最大3,000人のロシア兵が孤立か

コルシャク記者によると、この攻撃によって最大3,000人ほどのロシア軍兵士らが、30×20kmほどの地帯で孤立させられたという。

完全に包囲されたわけではない

だが、ウクライナ軍はそのセイム川周辺地帯を完全に包囲しているわけではない。ロシア軍はいまも川を経由すればロシア本土にアクセス可能であり、それによって徐々に戦況が変化するかもしれない。

画像:Telegram @DeepStateUA

安全に避難する経路を失う

コルシャク記者は今回破壊された橋についてこう語っている:「ロシア兵はクルスク州のウクライナとの国境に近い地域で孤立し、安全に避難する経路を失った。そこから逃れるすべはないかもしれない」

ロシア軍には好ましくない状況

ロシア軍が同地域を放棄するのか戦闘を継続するのかはまだ不明だが、今回カリザハ村付近の橋を破壊したことで、セイム川周辺の露軍側防御陣地がより不安定になったことは確かだ。

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