イーロン・マスクの報酬はおよそ8兆円!? テスラの株主総会が承認

ケタ外れの高額報酬
560億ドル(約8兆円)
裁判所による支払取り消し命令
デラウェア州の判断
「報酬パッケージは無効である」
再承認された高額報酬
上訴する見通し
依然として未確定
「世界一の大富豪」
米ハイテク大手に遅れ
BYDに押され気味
ケタ外れの高額報酬

テスラの株主総会は同社のCEOであるイーロン・マスクに対し、560億ドル(約8兆円)という巨額の報酬を支払うことをあらためて承認した。米企業のトップが得る報酬としては過去最高の額であるとロイター通信が報じている。

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560億ドル(約8兆円)

なぜ「あらためて承認」かというと、かつてテスラの一部株主が、イーロン・マスクの報酬が高すぎるとして訴訟を起こしているからだ。実際、マスクに対して認められた報酬額は、市場における同社の企業価値の9%にあたる。

裁判所による支払取り消し命令

その訴訟では、2024年1月30日にデラウェア州衡平法裁判所が原告の主張を認め、マスクへの支払いが決定していた560億ドルという報酬パッケージを取り消すよう命じている。

デラウェア州の判断

裁判を担当したキャスリーン・マコーミック判事は、テスラの取締役会がその報酬パッケージを2018年に認可したさい、マスクに対して十分な独立性を持っていなかったと判断したと、「ブルームバーグ」は報じている。

「報酬パッケージは無効である」

取締役会は、マスクが前述の高額報酬を手にいれる条件として、達成目標を決めていた。しかし、その目標はあまりにも低いものだったとマコーミック判事はみなしている。したがって、この報酬パッケージは無効である、としたのである。

再承認された高額報酬

そして今回、560億ドルという高額な報酬パッケージがテスラの年次株主総会でふたたび承認された。この総会ではまた、マスク氏の報酬を無効とする判決を下したデラウェア州からテキサス州へと、テスラの法人登記を移すことも承認された。実際、この年次総会もテキサス州で開催されている。

上訴する見通し

今年1月にデラウェア州衡平法裁判所が下した判断については、テスラ社は上訴する見通しであると「ブルームバーグ」は報じている。

依然として未確定

『フォーブス』によると、その上訴の結果を待って、マスクの報酬パッケージが確定するという。上訴が遅れているのは、弁護士費用の支払い手段がなかなか定まらないことが理由という。

「世界一の大富豪」

もしイーロン・マスクがその560億ドルを手にすることになれば、「世界一の大富豪」の座に返り咲くことになるかもしれない。その資産は2070億ドルと見積もられている。

米ハイテク大手に遅れ

ただ、テスラに対する市場の評価は、最近あまり芳しくない。ロイター通信によると、テスラの評価額は2020年に一気に跳ね上がったが、その後数年にわたり低迷し、いま現在は他の米ハイテク大手に遅れをとっている。

BYDに押され気味

その理由の一つが、電気自動車の売り上げが鈍化していることである。中国BYDの勢いに押されてしまっているのだ。そういった背景からテスラ株は2024年4月に乱高下しており、最高額の報酬とアンバランスな対比をなしている。

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