「デ・インフルエンシング」とは:「買ってはいけないもの」を拡散するインフルエンサーたち
この用語が初めて登場したのは2023年の初め。そして現在、ハッシュタグの#deinfluencingは520億回以上再生されている。
デ・インフルエンシングは、過剰消費を批判し、製品の価格に疑問を呈すものだ。そして、その多くは高価な製品より安価な代替品を紹介している。
画像:Tik Tok
広告代理店Zerotrillionの創設者アレックス・パキンは『インサイダー』誌にこう語った:多くのインフルエンサーがこのトレンドに飛びつき、視聴者の信頼を取り戻そうとしている。
「ある製品が誰にとっても完璧だと、そんなありえないことを伝えることは、ある製品が最悪だと伝えるのと同じくらい嫌悪感をおぼえます」インスタグラムの美容インフルエンサーの一人であるシャーロット・パレルミノがコメントした。
「バランスとニュアンスがうまく機能したとき.....そのときこそ、私たちは正式に『デ・インフルエンシング』できたと感じるでしょう」パレルミノは付け加えた。
デ・インフルエンシングはまさに「悪名は無名に勝る」の諺通りなのかもしれない。
一部のクリエイターが指摘しているように、製品をバッシングすることは製品を宣伝することと同じくらい浅はかなことだ。最終的にはどちらも消費者に働きかけをすることになり、クリエイターにとってプラスとなる。
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実際、インフルエンサーであることは、人々の消費行動を抑えることとは相容れない。自身の古着を売って有名になったインフルエンサーのヴィクトリア・パリスが語っている。
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パリスは『ローリング・ストーン』誌の取材に応じ、持続可能なライフスタイルを宣伝することでも、人々は彼女の服を買いたいと思い、シンプルな動画が商品の大量消費につながることを説明している。
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しかし、各個人がエシカル消費(倫理的な消費)を意識したとしても、過剰消費という大きな問題を終わらせることはできないと専門家は言う。
集団的なエシカル消費の実現は素晴らしいことではあるが、社会的な圧力だけでなく、法的な枠組みも含めて、生産者も責任を負う必要があるといえるだろう。
さらに、社会を循環型経済へとシフトさせ、環境、ひいては人間にとって有害な商品の生産と使用を減らすようなシステム改革も必要だ。
多くの専門家が過剰消費に対する根本的な解決策を提示しているが、その間、個人として消費習慣を問い直すことはもちろん、商品を勧めることと同じく、買わないよう勧めることも大切なようだ。