米イエローストーン国立公園で熱水性爆発が発生:観光客のカメラが捉えた爆発の瞬間
米国を代表する国立公園であるイエローストーンは、毎年数百万人にのぼる観光客を受け入れている。最近、この公園を訪れていた人々の一部は思いがけない光景を目にすることになった。
先月23日、イエローストーン国立公園内の「ビスケット・ベイスン」と呼ばれるくぼ地で、大規模な熱水性爆発が起こったのだ。
現場に居合わせた観光客のヴラダ・マーチさんは爆発の様子をカメラに収めることに成功、自身のSNSアカウントに投稿した。公園内の遊歩道を歩いているときにこの出来事に遭遇したという。
画像:Vlada March / Facebook
マーチさんが撮影したほかの画像には、突然の噴煙を前にして逃げ出す若者や子供の姿が映っている。爆発当時、この遊歩道には数十人の観光客がいたと『ニューヨーク・タイムズ』紙が伝えている。
画像:Vlada March / Facebook
マーチさんは前出のメディアに対し、爆発後には巨大な噴煙が上がって太陽を覆い、あたり一面が暗くなったと語った。さらに、一緒にいた母親(70)はすっかり灰にまみれてしまったという。
その後、米国国立公園局(NPS)はSNSのアカウントを通じ、今回の熱水性爆発や現場の様子を公開した。グレーになっているエリアが爆発に伴い石や泥が飛び散った範囲だという。
画像:NPS / Joe Bueter
イエローストーン火山観測所の科学者マイケル・ポーランド氏は『ニューヨーク・タイムズ』紙に対し、熱水性爆発は、地下にたまった高温の液体が急激な圧力低下により気化した時に起こるとした。
米国国立公園局はSNSを通じ、幸い今回の爆発による負傷者は報告されていないものの被害の全容はいまだ不明であり、一帯は一時的に閉鎖されていることを伝えた。
画像:NPS / Facebook
国立公園局はさらに、「当園と米国地質調査所 (USGS)のスタッフが現場の状況を調べ、安全が確認されてから観光客のアクセスを再開する」としている。
画像:NPS / Facebook
イエローストーン国立公園のビスケット・ベイスンで熱水性爆発が発生したのは今回が初めてではない。画像は前回2009年に起こった爆発の様子だ。
画像:USGS
今年初めにも、イエローストーン国立公園の別のエリアである「ノリス・ガイザー・ベイスン」で今回と同じような爆発が発生したという。『ニューヨーク・タイムズ』紙が伝えている。
米国国立公園局は、地球上の間欠泉の半分以上がイエローストーン国立公園に集まっているとしている。また、同公園のウェブサイトによれば、公園内で活動状態にある間欠泉の数は500~700にのぼるという。