アメリカが台湾に20億ドル相当の武器を販売へ:中国の反応は?
AP通信によると、アメリカが台湾に20億ドル相当の武器を販売することになったという。中国政府の逆鱗に触れることは間違いないだろう。
販売される武器の中には、先進的な地対空ミサイルシステムなど初めて売られるものもある。中国と台湾の間で緊張が高まっていることを受けているのだろう。
台湾の林佳龍外交部長は次のように語っている:「高まり続ける中国の脅威を前に、台湾の国土を守ることは義務でありその意志はこれからも継続的に示していく」ロイター通信が報じている。
英紙『ガーディアン』によると、販売される武器の中核をなすのは防空ミサイルシステム「NASAMS」だという。NASAMSは最新鋭の装備で、その有効性は現在も進行中のウクライナ侵攻でも実証されている。
AP通信も指摘しているように、中国は10月に台湾周辺で大規模な軍事演習を行っており、台湾政府の警戒感が高まっている。
今年5月に新たに就任した台湾の頼清徳総統は、今回の決定についてアメリカ政府に感謝を述べている。
台湾の郭雅慧報道官は次のようにコメントしている:「台湾の自衛能力を向上させることは、地域の安定性向上に不可欠です」CNNが報じている。
もちろん、中国の習近平政権も黙ってはおらず、アメリカによる武器販売を強く批判している。
ロイター通信によると、中国の董軍国防相は次のように述べたという:「中国は決然と対抗措置を取る予定である。国家主権・安全・領土的一体性を守るために必要なあらゆる手段を辞さない」
ロイター通信によると、中国政府は実際の行動でも台湾に対して対抗措置をちらつかせてきているという。今回の決定が発表されてから、中国の軍艦や戦闘機が台湾周辺を航行・飛行するようになったと台湾の顧立雄国防部長が述べているのだ。
『ガーディアン』紙も指摘するように、台湾と中国との緊張関係は古くから存在するが、習近平政権が台湾の支配を目指す「一つの中国」の姿勢を明確にしたここ5年ほどで急速に高まりつつある。