「今後2、3ヵ月は想像を絶する過酷さ」:ウクライナおよびロシアと会談したハンガリーのオルバン首相が発言
今年7月、ハンガリーのオルバン・ヴィクトル首相は、和平交渉を推進するためと称してウクライナのゼレンスキー大統領との会談、そしてロシアのプーチン大統領と会談を行った。EU諸国の首脳たちがこれに反発した一方、オルバン首相が会談後に出した声明も注目を集めている。
まず、オルバン首相の独断専行を強く批判したのはドイツのオラフ・ショルツ首相だ。ハンガリーは現在、欧州連合(EU)の議長国だが、オルバン首相による「和平仲介」はEUの立場を代表するものではないと述べたのだ。
これに対し、オルバン首相は今後数ヵ月のうちに前線の状況は悪化すると見られるとして、自身の行動を正当化したという。
また、同首相はゼレンスキー大統領およびプーチン大統領との会談を通して、近いうちに事態が悪化するという認識に達したと主張している。
独紙『ビルト』によれば、オルバン首相は「ウクライナの大統領およびロシアの大統領と会談する機会がありました。おそらく、今後2、3ヵ月は想像を絶するほど過酷なものになるでしょう」と述べたそうだ。
同首相はこの見解をもとに、ウクライナおよびEUはロシアとの対決姿勢を捨てて和平を目指すべきだと説いた。
オルバン首相は自身の主張について、人命に加えてEU全体の利害を考慮したものだとコメントしている。いわく:「なぜなら、いまここで起きていることはEU諸国にとって非常によくないからです」
ロイター通信によれば、オルバン首相は「この戦争のせいで、我々EU諸国の経済発展は阻害され、国際競争力も低下してしまっています。そこで、私は(プーチン)大統領に、欧州は平和を必要としていると伝えました」と述べたそうだ。
『ビルト』紙によれば、オルバン首相は自身の立場について、ウクライナとロシア、どちらの味方でもないと主張しているようだ:「私は誰が正しくて、誰が間違っているのかを問うつもりはありません。目標は和平と停戦なのですから」