テック大手が理想の職住環境を実現:「グーグルタウン」ってどんな街?

あらゆる分野へ進出する大手テック各社
次なる分野は
不動産価格の高騰
独自の街づくり
ノース・ベイ・ショア地区の再開発プロジェクト
「ミドルフィールド・パーク計画」
2030年までを目標
2万戸のアップルハウス
テスラの「スネイルブルック」計画
19世紀の「庭園都市」に通じる街づくり
新たな可能性にあふれた都市構想
あらゆる分野へ進出する大手テック各社

長年にわたって影響力と資本力を増してきたグーグル、マイクロソフト、アップル、Metaなどの大手テック企業。現在ではインターネットだけでなく、テレビ、携帯電話、スーパーマーケット、自動車などの新たな分野にも進出して大きな成功を収めている。

次なる分野は

そんな大手テック企業が次に狙っているのは不動産市場のようだ。つまり近い未来には、アマゾンの音声サービス「アレクサ(Alexa)」を使って多くの人が家賃や光熱費等を支払うようになる可能性がある。

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不動産価格の高騰

『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙によれば、アップルやグーグルの本社があるシリコンバレー、同じくアマゾンやマイクロソフトが拠点を置くシアトルでは住宅価格が高騰し、平均家賃が3,000ドルを超えているという。

独自の街づくり

こうした不動産価格の高騰に加えて住宅不足が深刻化していることから、Meta、アマゾン、グーグルなどの大企業が問題解決に乗り出した。現代的で手頃な価格帯の住宅をそなえた街づくりを行い、従業員はもちろん、他企業に勤める人々にも門戸を開こうというのだ。

ノース・ベイ・ショア地区の再開発プロジェクト

こうした街づくりを最初に着手した企業のひとつがグーグルで、本社の置かれたマウンテンビューのノース・ベイショア地区を中心に大規模な開発を行っている。そこには最大7000戸の住宅、公園、店舗、レジャーエリア、そしてオフィスを備えた近未来的な街を建設する計画だ。

写真:Google Real Estate

 

「ミドルフィールド・パーク計画」

このプロジェクトは「ミドルフィールド・パーク」計画と呼ばれ、複数のオフィスビルを建設しその至近距離に約2,000戸の新築住宅を用意、さらに便利な商業エリアも設ける計画だ。つまり、「グーグルタウン」というわけだ。

写真:Google Real Estate

2030年までを目標

Metaの場合、2030年までに10億ドルを投じてシリコンバレーに合計2万戸の住宅を建設することを目標にしている。『ニューヨーク・タイムズ』紙によれば、この計画のためにカリフォルニア州当局が同社に州有地を好条件(2億5000万ドル)で譲渡することに合意したという。

2万戸のアップルハウス

アップルはどうだろう?数年前、サンフランシスコのベイエリアに2万戸の住宅を建設することを決定。そのために25億ドルを費やし投資ファンドを設立している。

テスラの「スネイルブルック」計画

もちろんディズニーやマイクロソフト、テスラも街づくりを計画している。とくにテスラは「スネイルブルック」という名の町建設を計画している。代表のイーロンマスクはすでにテキサスのオースティン郊外に広大な土地を購入済みで、従業員だけでなく地域住民にも開かれた住宅をつくる予定だ。

19世紀の「庭園都市」に通じる街づくり

こうした発想は、じつは画期的なものでも新しい試みでもない。産業革命が進行した19世紀のイギリスでは、職住近接型の緑の豊かな「庭園都市」づくりが提唱されている。

新たな可能性にあふれた都市構想

しかし21世紀の企業城下町は、19世紀のものとはかなり異なったものとなるだろう。建設計画をすすめるのも自動車産業ではなくグーグルをはじめとしたテック企業だ。新たな可能性が詰め込まれたスマートな街が生まれることになるだろう。

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