「またトラ」がきっかけ? ショルツ独首相がプーチン露大統領と電話会談
11月15日にドイツのオラフ・ショルツ首相はロシアのプーチン大統領と電話会談を行った。ロイター通信いわく、2年あまり続いたクレムリンの孤立に終止符が打たれたのだ。
ロイター通信によれば、ショルツ首相はおよそ1時間にわたる会談の中でプーチン大統領に対し、ウクライナから軍を撤退させ、同国と「公正かつ長続きする平和」を築くための協議に入るよう促したそうだ。
一方、ニュースサイト「ポリティコ」はショルツ首相がプーチン大統領に対し、北朝鮮軍の部隊をウクライナに投入することは紛争の深刻なエスカレーションであると述べ、ロシア側を牽制したとのこと。
ドイチェ・ヴェレ放送いわく、ショルツ首相は「必要がある限り、ウクライナ防衛を支援するというドイツ政府の揺るぎない立場を強調した」そうだ。
ロイター通信によれば、この電話会談はドイツ政府の要請を受けて行われたものであり、プーチン大統領はロシア側の安全保障上のメリットを考慮するよう求めたという。
しかし、プーチン政権の要求はそれだけではない。ロイター通信いわく、プーチン大統領はウクライナとの和平について、「領土に関する新たな現実」を反映したものでなければならないと主張しているのだ。
しかし、「ポリティコ」によれば、ウクライナのゼレンスキー大統領はこの電話会談について、ショルツ氏が「パンドラの箱」を開けてしまったと批判。ロシアをできる限り孤立させておくことが重要だと主張したという。
とはいえ、ゼレンスキー大統領も、外交的な手段を通じて2025年中に停戦が実現することを望んでいるようだ。ロイター通信が報じた。
ドイチェ・ヴェレ放送は電話会談のタイミングについて、偶然ではないと推測。というのも、ドナルド・トランプ前大統領が返り咲きを果たしてから、わずか10日後に行われたためだ。
トランプ氏はウクライナ支援の停止を掲げており、就任から24時間以内に停戦を実現すると豪語している。
一方、ドイツではショルツ首相率いる連立政権が崩壊したため、2月23日に解散総選挙が行われることとなっている。しかも、現政権の中心となっているドイツ社会民主党は下野する見込みだ。
また、ショルツ政権はウクライナ侵攻を終結させるための外交努力を怠っているとして、極右政党からも極左政党からも批判を浴びている。